膠原病のところにアトピー性皮膚炎の話が出て来て申し訳ありませんが、アトピーに ステロイド内服を行なう病院がかなりありますので、一言申し上げておきます。
アトピーは、ふつう、生命をとりません。これには、ステロイドを飲ますべきではありません。 生命をとらないアトピーが、長年ステロイドを飲まないといけなくなり、将来、骨や 筋肉がボロボロになってしまいます。ここ20数年来アトピーが重症化し、ステロイド外用剤で 改善しないのでステロイド内服させられた患者さんが年に数十人当院を訪れます。
このようなステロイドを長期内服させられた患者さんは、入院していただき、 2~4ヶ月かけて徐々に減量して行き、ステロイド減量中止によるアトピー性皮膚炎の 悪化は当院の軟膏治療でうまくコントロール改善させ、且つ禁断症状が出ないように 毎日注意しながら少しずつ減量して離脱させて退院させています。
一例を挙げますと、8年前に某医大の医学生が重症のアトピー性皮膚炎で当院に入院され、 この患者さんは、大学1年生の時から2~2.5錠内服させられ6年間内服し、6年生に なってステロイドを飲んでいることに気付き当院受診しました。
私は、6年もの長期、かなりの量を内服して来たため、簡単に減量は無理で、高度な禁断症状が 出る事が予測されたので、1年間休学させて約7ヶ月かかって慎重に禁断症状が でないように監視しながら、完全にステロイド離脱に成功して復学させた経験があります。
ステロイドをアトピーに内服させるのなら、ステロイド外用剤を使ってあげた方が 遥かに患者さんのためです。ステロイド外用剤で外用して、毛穴から体内に吸収されて 内科的な副作用を起こす率は、内服に比べて、はるかに低いのです。