先ず、SLE、皮膚筋炎など数種の膠原病は、昔ステロイドのない時代は、3ヶ月、半年で 殆ど死亡していました。抗生物質も解熱剤も効きません。このようにステロイドを 飲まさないと死亡するような重症の膠原病の患者さんには、西洋医学の病院で ステロイドを使われますが、これは許される事です。半年で亡くなるのならステロイドを 使って10年先に骨や筋肉がボロボロになっても許されるわけです。
一方、私は特殊な加工方法を施した天然の生薬でステロイドの副作用が なるべく出現しないようにし、且つ、ステロイドの減量や離脱に効果を あげてくれる生薬の開発に成功しました。
例えば、西洋医学では、ステロイド10錠飲まない といけないのを3錠にし、3錠飲まないといけないのを1錠あるいは1錠半の使用で 病気を抑えられる生薬を開発していますので、なるべくステロイドを 使わず、且つ、減量し治療を行っています。(応用薬理、54:227~233、1997)。
先ず、私はSLEの新しい患者さんがステロイドを飲まずにはじめて私を受診されますと、 私はステロイドを使わずに数種の天然の生薬を内服させ、寝不足・過労・ストレスを 避けさせ、自己管理をちゃんと守らせて、かなりの患者さんにステロイドを飲ませずに コントロールする事に成功しています。
ただ、私の生薬だけで病気がコントロール出来ない重症のSLEの患者さんもおられ、 高熱、関節痛、蛋白尿、肺硬化などがどんどん増悪して来る患者さんも中には おられます。このような患者さんにはステロイドを大量に飲まさないようにして、 私の生薬と併用してステロイドの量を抑えて治療しています。
生命と引き換えですので、こういう重症膠原病患者さんに、生命が危ないと思えば、 私も毅然としてステロイドを併用することに変わりがありませんが、私の前述の 天然の生薬を併用して、なるべくその量を少な目にしてあげ、また、他院で ステロイドを長期間内服してきた患者さんには、私の天然の生薬を併用させて自己管理を守らせ、 少しずつステロイドの減量を行ないます。
この場合、皮膚筋炎ですと、10人中8人がステロイドの減量だけでなく、離脱に 成功しています。(応用薬理、54:227~233、1997)ただ、SLEはそうは行かず、 私の治療でステロイドの減量には成功しますが、正直言って、離脱に 成功する患者さんは1割か2割です。
だが、大切なことですが、西洋医学の大きな病院の内科の先生で、若い女性患者で 発熱、関節痛の自覚症状がなく(勿論、尿所見、肺X-Pにも異常なく)、血液の検査で 抗核抗体や抗DNA抗体が陽性に出ただけですぐにステロイドを投薬される先生が おられますがこれは困ったものです。
抗核抗体や抗DNA抗体は、自分の組織をつぶしに行く抗体をリンパ球が作っている という膠原病の体質を現しているだけで、これらの検査に加えて、CRP、血沈、 SAA、CH50など炎症反応を現す検査が悪くなったり、熱発、関節痛や腎炎の 所見が出て来て始めて、この患者さんがSLEになったと云う事で治療を開始し、 それまでは寝不足、過労、ストレスを避け自己管理をして、SLEの発病を防ぐべきなのです。